博士課程学生10期生と11期生を歓迎 OIST入学式
2022年9月1日、OISTで2年ぶりに入学式が開催され、2021年1月以降に入学した学生や、新たに着任した教員や幹部職員を歓迎しました。
入学式は、OISTの教職員やその家族のみではありますが、オンラインではなく有観客で開催され、教員の表彰やスタッフによる琉球舞踊の演舞も行われました。
昨年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により入学式が開催されなかったため、本年度の式典では2021年度入学生43名と2022年度入学生36名の計79名が紹介されました。
開式にあたり、OISTのピーター・グルース学長が挨拶を述べ、新たに着任した幹部や教員、そして新入生に対して激励の言葉を贈りました。
「ようこそOISTへ。皆さんは、新しくダイナミックな大学を選ばれました。[中略]OISTは、わずか10年で世界の科学技術とイノベーションを牽引する研究大学へと急成長を果たし、数々の目覚ましい成績を残してきました。これを成し遂げたのは、向上心が高く、勤勉で、才能あふれる人々が集まった多様性豊かなコミュニティーであり、皆さんは、その一員となったのです。皆さんには、OISTの創造的な精神と、さらなる先を目指す挑戦を体現していただきたいと思います。」
グルース学長は、開式の辞の中で、2021年1月以降にOISTの新幹部に着任した7名を紹介し、パンデミックによる困難に直面しながらも、献身的にOISTに尽くしてきたことに謝意を述べました。
また、現在教員を務めているニコラス・ラスカム教授とエイミー・シェン教授の2名が、それぞれ次期研究部長とプロボストという幹部に着任することも発表されました。
さらにグルース博士は、OISTのキャンパスや研究を一歩出て、生活の幅を広げることが重要であることを新入生に対して強調しました。
「研究室の外に出かけて、豊かな文化、伝統、遺産をもって私たちを寛大な心で支えてくださっている沖縄の地域社会と出会ってください。沖縄とつながりを持つことで、私たちはこの土地、時代、そして沖縄の歴史に根ざしていくのです。」
「日本政府と沖縄県よりご支援を受けている大学として私たちが担う責任は、研究や教育に留まりません。[中略]皆さんには、地域の活動に参加し、社会における市民としての責任を果たせるようになっていただきたいと思います。OISTと沖縄の地域社会の一員として積極的に参加してください。」
その後、新たに着任した12名の教員による自己紹介と研究内容の紹介が行われました。その研究分野は、量子物理学や数学から生態学や神経科学まで、豊かで多様な領域に広がっています。これによって、世界を牽引する学際的研究拠点としてのOISTの地位づけがさらに強化されます。
その後、研究科長のウルフ・スコグランド教授が学生の一人一人を歓迎し、助言や励ましの言葉を述べました。
「これから、博士課程修了までの数年間にわたって続くワクワクするような研究と学業の旅が始まります。この旅は、その後長年にわたって皆さんの生き方を定義することになります。皆さんは、沖縄に来るという重大な決心をしました。私たち研究科職員は、皆さんをお迎えできることを大変誇りに思います。今後何年にもわたり、皆さんをしっかりと導いていきたいと思います。」
2021年度と2022年度の博士課程学生も、これまでの学生と同じくその文化や国籍は多様性に富んでいます。新入生79名の出身国は28か国に及び、その中には2021年度に入学したアルジェリア、スリランカ、オランダ出身者や、2022年度に入学したボツワナやエクアドルの出身者なども含まれています。
閉式の辞は、式典に出席が叶わなかったOIST学生評議会・教授会担当代表者のレイリ・ホイナツキさんに代わり、博士課程学生で同評議会のアカデミック・オフィサーを務めるラクシュミプリヤ・スワミナサンさんが述べました。
そして、学生が選ぶ「Students' Choice Teaching Award」賞がトマ・ブーギニョン准教授と河野恵子准教授の2名に授与されました。
また、微分幾何学のテーマを織り交ぜた特別講義を行った2019年度入学の学生であるデイヴィド・オコーネルさんに対し、学生評議会より第1回特別講義賞が授与されました。
式典の最後には、琉球の豊かな文化と歴史を持つ沖縄の古典音楽に合わせて、琉球舞踊が2曲披露されました。1曲目の「四つ竹」は、古くから海外の要人をもてなすために披露されてきた楽曲で、OISTの三線グループ「ちんだみーず」の演奏に合わせてダンスグループ「もーやーず」が舞いを披露しました。2曲目の「谷茶前(たんちゃめー)」は、OISTのある恩納村谷茶地域の人々の日常生活を描いた楽曲で、島袋流千尋会の舞踊家の方々によって舞が披露されました。