サイエンスチャレンジ2019

サイエンスチャレンジ2019の参加者たちが世界中から集まりました。

  世界中の科学者たちは、大きな夢を抱きながら、研究室の中で一歩ずつ着実に研究を始めていきます。研究で大きなアイデアを実現するためには、忍耐、決意、コミットメントが必要です。このような理由から、大学院大学のサイエンスチャレンジ2019は「Think Big, Start Small.」をテーマに行われました。

  サイエンスチャレンジは、学部学生と修士課程の大学院生が、科学のスキルを伸ばし、沖縄科学技術大学院大学(OIST)での学生生活を体験できる1週間のプログラムです。今年は、日本、コロンビア、エジプト、インドネシア、メキシコ、米国から31名の学生がOISTに集まりました。沖縄で過ごした1週間のプログラム期間中、参加者たちは文化体験や、科学実験、研究者との話し合い、プレゼンテーションの準備などを行いました。

  プログラムは、沖縄美ら海水族館で沖縄の海の大切さを学ぶことからスタートしました。その後学生たちはOISTに移動して、キャンパスツアーで美しい景色を堪能し、OISTの科学研究について学びました。

サイエンスチャレンジ2019参加者たちにキャンパス内を案内するOIST博士課程学生の平良正和さん

  サイエンスチャレンジでメインとなるのは、参加者の学生たちに科学をより深く探求してもらうことです。学生たちは4つのグループに分かれて、OISTマリン・サイエンス・ステーションを訪問したり、原子の分析をしたりするなど、自分の研究分野に関連する研究室を訪問しました。それ以外にも、OISTの教員による様々な講義を受けるなど貴重な体験をしました。

リサーチサポートスペシャリストの佐々木敏雄さんが、サイエンスチャレンジ2019の参加者たちにOISTのイメージング・ラボを案内。参加者たちは原子の顕微鏡画像を観察し、研究に使用される顕微鏡を実際に試していた。

マリンステーションにおいて、サイエンスチャレンジ2019の参加者たちは、沖縄の海の生態系について学び、実験でサンゴの色が変わる様子を観察した。

  参加者の一人で、名古屋工業大学2年生の石井咲紀さんは次のように話しました。「私たちはサンゴを観察し色の実験をしました。私が通う大学には動物学部や海洋学部がないので、研究室の中でこんなに多くの海洋生物を見たのは初めてでした。とても楽しかったです。」

  しかしプログラム期間中は楽しいことだけではありません。学生たちは1週間で学んだことを、自分の専門の科学の分野で発表しなければなりません。OIST博士課程の学生たちが、参加者に指導やアドバイスをして、プレゼンテーションの準備をサポートしました。

サイエンスチャレンジ2019参加者のプレゼンテーション準備をサポートする博士課程学生のトーマス・バーンズさん

  三重大学の修士課程の学生であるMohamed Eltaherさんは次のように語りました。「最初から発表の内容は決めていました。アイデアを練り上げて質をより高めるにはどうしたらよいかと考えていたところ、他の参加者たちからヒントをもらうことができました。」

  プレゼンテーションの審査員は、OISTの森田洋平准副学長(広報担当)、タカバヤシ・ミサキ副研究科長、サイエンスチャレンジ2015の参加者で、現在はOIST博士課程の学生である大畑渉さん、サイエンスチャレンジ2018の参加者で、現在はリサーチインターンである三宅みなとさんです。審査員は、参加者の情熱、科学への探求心、創造性、わかりやすさ、聴衆の巻き込み方、発表の長さを評価項目として審査しました。3時間で全参加者のプレゼンテーションが終了しました。

  今年、最優秀賞を受賞したのは、北海道大学の学部学生である中西夢帆さんでした。中西さんは、細胞生物学を応用した、持続可能な培養肉の生産について発表しました。特別賞は、海中のプラスチックを回収するイカ型ロボットについて発表した小出学さんに贈られました。

サイエンスチャレンジ2019最優秀賞受賞者の中西夢帆さんと森田洋平准副学長。中西さんは、細胞生物学を応用した、倫理的かつ持続可能な培養肉の生産について発表した。

  中西さんは受賞の喜びを次のように語っています。「今回初めて自分のアイデアを発表し、最優秀賞に選んでいただけて光栄です。このように自分の夢を発表する機会はこれまでありませんでした。皆さんが私のアイデアを受け入れてくれて、ディスカッションをすることができてとても嬉しかったです。」

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