ジョナサン・ドーファン博士 旭日重光章を受章
沖縄科学技術大学院大学(OIST)名誉学長のジョナサン・ドーファン博士が、この度、日本政府より栄誉ある旭日重光章を受章します。OIST教職員・学生一同、祝辞を述べたいと思います。
日本政府は授章の理由を「我が国の科学技術研究教育分野の発展に寄与」としています。11月7日に皇居にて伝達式が執り行われました。
栄誉ある勲章を授かることに際してドーファン博士は、「この度の受章を心より光栄に思います。沖縄科学技術大学院大学(OIST)をその創成期から、OISTが世界レベルの科学技術に関する教育研究機関に成長するまでの歩みを導くことができたことは、私にとって大変名誉なことでした。」と述べています。
ジョナサン・ドーファン博士は、1999年から2007年まで所長を務めたスタンフォード線形加速器センター(現SLAC国立加速器研究所)から、2010年8月にOISTに着任しました。ドーファン博士は、学校法人沖縄科学技術大学院大学学園の寄附行為及び沖縄科学技術大学院大学の認可に関する認可を経て、2011年11月に学園が設立までの間、学長予定者として務め、その後、OIST設立と同時に、本学学長および学校法人沖縄科学技術大学院大学学園理事長に就任しました。
ドーファン博士は、2005年から2011年まで独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構の理事長を務めたシドニー・ブレナー博士から大学運営を引き継ぎました。そのブレナー博士もまた、「沖縄科学技術大学院大学設置構想の推進に尽力した」ことから旭日大綬章を受章しました。
OIST学長任期中、ドーファン博士はOIST構想を実現させ、整備し、世界中から採用した優れた教授陣や学生と、世界最高水準の研究インフラを備えた、最先端で学際的な教育研究環境を整備しました。
ドーファン博士は、沖縄科学技術研究基盤整備機構時代(2005年~2011年)に行われたOISTキャンパス整備第1フェーズを受けて、その基盤の上に新たな学内施設を整備しました。それらには、2つの研究棟、教育研究のためのスペースおよび設備、講堂およびそれに併設する会議棟、アパートや戸建て住宅、福利厚生施設を兼ね備えたキャンパス居住区、1日10時間の保育サービスを提供し、現在は生後2か月から5歳児までの140名の乳幼児を受け入れるチャイルドデベロップメントセンター、東シナ海が目の前に広がるマリン・サイエンス・ステーション、そしてエンジニアリング・サポートビルディングです。また、第4研究棟の整備計画を含め、2023年までに大学の規模を倍に拡充するという、OIST発展に向けたキャンパス整備第2フェーズに着手しました。
ドーファン博士は、OIST着任当初から妥協を許すことなく、世界でも有数の大学と肩を並べる高い水準を維持し、特に教員の採用と昇進、そして学生の入学に関して現在の基盤を築きあげました。ドーファン学長の任期中、教員40名が採用され、140名の学生がOISTに入学しました。OISTは、真に国際的な大学で、世界の35を超える国と地域から教員と学生を受け入れています。
ドーファン博士は、2016年12月にOIST学長を退任し、後任にマックス・プランク学術振興協会前会長のピーター・グルース博士が就きました。