サイエンスチャレンジ 2016
3月7日から11日にかけて、第二回目となる「サイエンスチャレンジ」ワークショップが開催され、日本全国から集まった29名の大学生と大学院生が、1週間にわたって科学について、また沖縄科学技術大学院大学(OIST)での大学院生活について学びました。期間中、あらかじめ選抜された参加者は複数のOIST研究室への訪問やセミナーへの出席、OISTの博士課程の学生たちと交流を通して、「大学院で何をしたいか」というテーマを探求しました。
「参加した学生たちがこの1週間を通じて、博士課程への進学について、様々なアイデアを得られたことを願っています」と、OISTの学生支援セクションスタッフでワークショップ開催に関わったグスマン勇気さんは期待を語りました。
ワークショップ最終日には、29名の参加者全員が、大学院での研究対象となりうる各々のテーマについてプレゼンテーションを行い、環境保全から宇宙探索、災害予測から量子計算までの幅広いトピックについて、興味深くクリエイティブなアイデアが話し合われました。
参加者が科学に関する多様なアイデアを出し合う中、OISTの基本コンセプトの柱でもある学際的な研究、国際共同研究、および科学分野でのコミュニケーションの3つが、博士課程において重要であると繰り返し強調されました。
「多様性というのは大事です。多様性があれば、より多くのアイデアに触れ、自分の心が開かれ、より広い見方ができるようになるからです」と、立命館アジア太平洋大学から参加したShuangying (Helen) Yuさんはコメントします。
東北大学からの参加者、高橋友海さんは、「自分が取り組む研究についてきちんと伝えられるようになることが必要だと気づきました。そうしなければ、誰も私がやることの重要性を理解してくれませんよね。」と話しました。
OISTの審査員たちは学生たちのプレゼンテーションについて慎重に協議し、最優秀賞を1名、特別賞を2名決定しました。特別賞にはShuangying (Helen) Yuさんと東京大学の木幡愛さんが選ばれました。Yuさんは海洋環境保全について、木幡さんは社会的弱者のための製品を創り出すことについて語りました。最優秀賞は、国際基督教大学の黒木健さんが受賞しました。黒木さんは、環境保全に役立てるバイオ情報科学の活用の仕方について発表しました。黒木さんはまた、最高の科学研究をするためには、自分自身が健康でなければならないということも強調しました。
「審査員は、黒木さんの情熱、人格、自己認識の高さに感嘆していました。」とマチ・ディルワース副学長(男女共同参画・人事担当)はコメントしました。
ディルワース副学長によれば、審査員たちはまた、学生たちが科学コミュニケーションの重要性について気づいた様子がよく分かり、「彼らの将来にとって勇気づけられることです」とも語りました。
毎年開催される一週間のワークショップは、科学に特別な興味と好奇心を持つ卓越した学生たちにとって素晴らしい機会です。学生たちは、大学院において成功をおさめるのに必要なスキルを理解することで、自分たちのアカデミックキャリアを早めにスタートさせることができます。また、OISTで行われている最新の研究や技術について触れることもできます。
「サイエンスチャレンジは、自分の科学への情熱を認識する機会となりました。私は文系のバックグラウンドですが、科学についてもっと学びたいと常に思っていましたから。」とYuさんは熱っぽく語りました。