OISTオープンキャンパスに5千名以上が来場
OISTキャンパス内の5つの会場で36の科学の催しが行われ、350名のボランティアが18の飲食店とともに、5000名を超える来場者をお迎えしました。11月8日(日)、沖縄科学技術大学院大学(OIST)のオープンキャンパスが開催され、澄みきった青空のもと、県内各所からお越しいただいた来場者に科学技術の様々な催しを楽しんでいただきました。当日は、静電気発生装置で髪の毛を逆立てたり、電子顕微鏡に触れたり、ロボットと対話したり、不思議なペンで回路を作ったり、脳の錯覚による散髪の疑似体験をしたりと、県内でも珍しいユニークな催しものがたくさん用意されました。
OISTオープンキャンパスは、ロボットからアリ、イカからスーパーコンピュータまで幅広いテーマで、子どもから大人まで楽しめるイベントです。来場者は、金の原子を電子顕微鏡で観察したり、深海に棲むサンゴ礁を調べるための水中探検ロボットを遠隔操作したり、一日科学者となってOISTの研究室で実際に使われている研究機器の一部に触れていただきました。子供たちに特に人気だったのは、液体窒素とロボットを使った実験です。液体窒素の実験を行ったOISTのジョウベルト ・ルドヴィック研究員は「マイナス200度の液体窒素で凍らせたキャベツが粉々に飛び散る様子を見たり、サクサクのマシュマロを食べたり、楽しんでいただけたかと思います。鼻から吐く息が白くなるのは面白いですよ。」と振り返りました。また、OISTの新竹積教授、エヴァン・エコノモ 准教授、沖縄県立博物館・美術館の藤田祐樹学芸員、OISTクリニックの原稔医師による講演も行われました。 「身の回りにある物理」を体験するサイエンスショーでは、実験に興味津々の子供たちで500名収容の講堂はいっぱいになりました。本サイエンスショーを行ったOIST博士課程2年次の学生、ジェームス・シュロスさんは、「とても楽しい雰囲気でした。身の回りの不思議な物理学の世界を子どもから大人まで楽しんでもらえるショーにしたいと思っていました。実際、視点を変えるだけで身の回りには面白いものがあふれていますよ。」と科学の魅力を語りました。参加者のひとりで理科の教員を志望しているという田川翔輝さんは、「このようなことを将来やりたいなぁと思いました。退屈な授業だと、いつ終わるのかな、なんてことになりますが、今回の1時間はあっという間でびっくりしました。」と感想を述べてくださいました。
「わくわくプログラミング」はオープンキャンパス恒例の大人気のプログラムです。OISTのウェブサイト・アドミニストレータ、マイケル・クーパーさんは「今年は子どもが作ったゲームを使って、リアルタイムでプログラミングを行いました。参加した子ども達の意見を聞きながらその場でプログラミングを変更していきました。出来上がったのは、緑のアフロヘアの人食いペンギン!子どもたちは大喜びでした。とても楽しかったです。 」と会場の様子を語りました。
那覇からシャトルバスでお越しくださった新垣さん(60歳)は沖縄の子どもたちの未来に思いを馳せ、次のように語ってくださいました。「ここでは子どもたちが未来に希望が持てるように思います。自分自身より次の世代のことですね。研究を続けないと自然も破壊されるし、地球がなくなったら住むところがなくなりますね。みんなどこの国ではなく、地球人だなぁと思います。」 ご主人様と3人のお子様と共にご来場いただいた松山文さんは、「やちむんのラボが楽しかったです。息子のひとりは科学に興味を持っており、学校で陶芸をしています。息子にとって、まさに科学と芸術が融合した場だったと思います。OISTが地元沖縄の陶芸家と連携していることをうれしく思います。」と話してくださいました。
更に、オープンキャンパスでは日頃から感じている科学の疑問をOISTの研究者に直接ぶつけることもできました。ご子息のオーエンさんと共にご来場いただいたナイジェル・サンガーさんは、「オープンキャンパスでは科学を実際に体験できるのが魅力です。息子は大学で生物学を専攻したいと考えています。OISTの研究者が知恵を絞ったプログラムが用意されていると感じました。オープンキャンパスに来るのは2度目ですが、前回より体験型のものが増えたように思います。」と話してくださいました。また、江本文子さんは「(OISTの人たちと)コミュニケーションでき楽しかったです。子どもに優しく教えてくれる人が多くて、来年も子どもを連れて来たいと思いました。」とご家族で楽しんでいただけたようでした。 皆さま、来年のオープンキャンパスにもぜひお越しください!