サイエンストリップin宮古島2024
10月25日、沖縄科学技術大学院大学(OIST)神経生物学研究ユニットに所属する来間清人博士が沖縄県立宮古高等学校を訪れました。この訪問は、地元出身の研究者と宮古島の高校生をつなげ、高校生に科学や進路への関心を持ってもらうことを目的としています。来間博士は、生徒たちが将来のキャリアを具体的にイメージできるように、高等教育、キャリアパス、研究の機会について自身の考えを伝えました。
来間博士の講演会では、宮古高校の文理探究科に在籍する1年生と2年生160人を対象に講演を行いました。また、放課後のプログラムには、宮古島内の他の高校の生徒も参加しました。
宮古島出身の来間博士は、「これまで科学者として海外やOISTで研究に携わってきましたが、常に選択の連続で、決して平たんな道のりではありませんでした。高校生のみなさんには、広い視野を持って将来のキャリア形成について考えてほしいと思います」と述べました。
放課後に行われた講演では、当日取り上げられたテーマをさらに掘り下げた内容が紹介されました。研究や高等教育、さまざまなキャリアパスについて、具体的な魅力や課題について詳しく語られました。この取り組みは、生徒たちが科学や研究への関心を深め、将来の進路選択をより明確にする手助けとなりました。また、来間博士とのディスカッションを通じて、生徒たちはキャリアの多様性について理解を深めることができました。
宮古高校2年生の川満有志さんは、卒業後は教育学部に進学し、数学の教師になりたいと考えています。川満さんは、「来間先生の授業は、私にとって目から鱗が落ちるような経験でした。私の目標を達成する方法は一つだけではないことを教えてくれました」と語りました。
1年生の友利天さんは、「英語が好きなので留学も考えましたが、この講義を聞いて英語だけでなく、自分の得意な専門分野も追求できると気づきました。来間先生の講義で固定概念が一掃されました」と話しました。
宮古高校の生物教諭の島袋侑希先生は、「離島地域では、最先端の研究をしている研究者の方のお話を聞く機会はほとんどないので、今回、来間先生に講演をしていただき、心から感謝しています。離島で教育を諦めてしまっては、私たちは前に進めません。今回の機会は生徒たちにとって非常に有意義で、進路や人生の転機になったと思います」と話しました。
宮古高校の松原芳和校長は、「来間博士は本校の卒業生で、現在は世界的な研究機関で活躍されています。高校時代から大学、大学院、さらには米国での研究経験に至るまで、自身の研究に関する専門知識や学問的な歩みを紹介していただきました。生徒たちが将来のキャリアパスを考える上で貴重な学びの機会となりました。生徒たちからの高い関心と多くの質問が、講演会の成功を物語っています。また、来間博士が丁寧に答えてくださったことに、生徒たちは大変感謝していました」と述べました。
イベントの写真をご覧になりたい方は、こちらのOISTのFlickrページにアクセスしてください。