沖縄科学技術大学院大学(OIST)の数理力学と材料科学ユニットでは、ポストドクトラルスカラーのビカッシ・チャウラシア博士とエリオット・フリード教授が、エネルギー最小化法を用いて、生物粒子上に存在する電荷を帯びたタンパク質を調査しています。以前はコレステロール分子の研究をしていましたが、パンデミックが発生したとき、自分たちが開発した手法を新型コロナウイルスにも応用できることに気がつきました。二人は、カナダのクイーンズ大学の研究チームと共同研究を行い、SARS-CoV-2を詳細に観察して、ウイルスの「スパイク」(正式には「ペプロマー」と呼ばれる)の形状が感染拡大にどのような影響を及ぼしているかを調査しました。この研究成果は、先日Physics of Fluids誌に掲載されました。
チャウラシア博士は、次のように説明します。「一般的に、コロナウイルスの粒子を思い浮かべると、球体の表面に多数のスパイクまたは小球が分布している様子をイメージします。それは、このウイルスの当初のモデルの形状です。しかし、そのモデルは大まかな形状を表しているもので、この1年間で、このウイルスの形状の詳細が明らかになってきました。」
チャウラシア博士によると、コロナウイルス粒子の「スパイク」は、実際には3個の小球を三角形状に集めたような形状をしているといいます。ウイルス粒子の形状は、その伝播性に影響を与えるため、重要です。
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