インキュベーター入居企業紹介:フラットミニマ

OISTの教員としての役割を超え、様々な課題解決に取り組むために株式会社FlatMinimaを設立した山田誠氏に、起業に至った経緯や、OISTイノベーションインキュベーターの未来に対する期待をお聞きしました。

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貴社の事業内容について教えてください。

フラットミニマは、大学の教員・研究者としての私では解けない問題に取り組むために立ち上げた会社です。設立のきっかけは、今年3月にOISTで開催したワークショップでした。国内外の研究者を招いてワークショップを開催する際、参加者のビザ情報の収集やポスター発表の手配など、多岐にわたる業務が発生します。しかし、これらの業務に最適化されたツールが存在せず、運営に大変苦労しました。

このような業務に特化したツールが開発されれば、ワークショップなどのイベント開催コストが削減され、研究コミュニティの活性化につながります。これは大学にとって価値のある取り組みですが、OISTの教員として私個人が取り組むべき課題ではありません。そこで、大学業務とは独立して、こうした活動を事業として展開するために起業を決意しました。現在は、開発した国際ワークショップ向け参加登録システムのベータ版を提供しています。

その他、東京と比較して沖縄の教育選択肢が限られていることに、娘を持つ親として個人的な課題を感じていたことから、小中学生向けの教育事業も試験的に開始しているところです。

「フラットミニマ」という社名には、数学的な概念(ある関数において良い性質を持った解)を借りて、自社や顧客だけでなく、社会にとって最適な解を追求しようという理念を込めています。会社としての取り組みを通じて、沖縄を盛り上げていけたらと考えています。

OISTイノベーションインキュベーターに入居した理由を教えてください。

OISTのキャンパス内にあること、そして会社を設立する際に登記が可能なオフィスの契約が必要だったため、入居を決めました。

OISTイノベーションインキュベーター現在の利用方法を教えてください。

平日日中は大学の業務を行っているため、場所としては現在ほとんど利用していません。

OISTイノベーションインキュベーターに入居するメリットとして感じていることを教えてください。

これはインキュベーター自体のメリットとは言えないかもしれませんが、私自身、OISTにいなければ起業に至っていなかったと思います。OISTには大学として起業を積極的に後押しする雰囲気があるので、起業に興味のある研究者にとって、OISTは面白い環境ではないでしょうか。

どんな企業にOISTイノベーションインキュベーターへの入居をおすすめしたいですか?

個人的な想いとしては、OISTを20年後にはAIや人工知能の一大拠点としていきたいと考えています。そのため、AI関係のスタートアップが増えたらうれしいですね。

OISTイノベーションインキュベーターに今後期待することがあれば教えてください。

今後施設が拡大することで、様々な方との交流機会が生まれることを楽しみにしています。

(取材日:2024年7月29日)

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