好奇心旺盛な参加者が世代を超えて集まったOISTオープンキャンパス2015
2月1日(日)に開催されたOISTオープンキャンパス2015には、数千名を超える幅広い年齢の方々が本学のキャンパスを訪れました。
毎年開催される本学のオープンキャンパスは、OIST教職員や学生による体験型科学プログラムや実験デモ、講演や研究施設ツアー等の様々なプログラムを通じて、一般の方々に科学の世界を探求していただくイベントです。
来場者は、普段あまり目にすることのない研究施設の中や先端機器の見学、顕微鏡を使ったオレンジや玉ねぎの観察、液体窒素でつくったアイスクリームの試食など、思い思いに楽しんでいました。
OIST海洋生態物理学ユニットの研究員たちによる海洋調査を疑似体験してもらうため、大勢の子供たちが昔のテレビゲームのコントローラを使って水中ロボットを操作している姿も見られました。「楽しかったです」と答えてくれたのは、沖縄本島北部の今帰仁村から来てくれた12歳の上地志文君です。「(ロボットの操作は)思ったより難しかったです。」と感想を語ってくれました。
志文君のお母さんは、10歳の妹の愛さんも連れて初めて本学のオープンキャンパスに参加してくれました。「子供たちは科学に興味はありますが、普段このようなイベントに参加する機会はほとんどないので、今日は絶好の機会となりました。」と、お母さんの成子さんは感想を語ってくれました。
あるラボでは、およそ50人の子どもたちがスクラッチ(Scratch)と呼ばれるコンピュータープログラムの言語を用いてプログラミングを学んでいました。
「子供たちがコンピュータプログラミングに興味をもつきっかけになってくれれば嬉しいです。」と語るのはカザフスタン出身のOIST学生、イリーナ・レショドコさんです。レショドコさんは当日、45分間のクラスを日英両言語で数回にわたって教えていました。
数学に関する講演ではロバート・シンクレア准教授が登壇し、大学院で学ぶことがどのようなものかを会場のみなさんたちに体験していただくために、物事を批判的に考察するクリティカルシンキングに挑戦してもらいました。
「優秀な学生は教師の言葉を鵜呑みにしません」とシンクレア准教授は聴衆に語りかけました。「OISTの学生が私の見解に異を唱えることは非常に良いことです。私が間違っていたら、科学の未来は明るいということ。今後の研究を担うのは私ではなく学生たちなのですから。」
キャンパスが大勢の子供たちで賑わうなか、様々な実験室の様子を目にして触発された大人たちの姿もありました。
「自分もここで勉強できたらいいのに」と話してくれたのは、ご主人と2人の小学生のお子さんと一緒に嘉手納空軍基地からいらしたリンゼイ・クロンプさんです。
OIST年間行事の最大一般公開イベントであるオープンキャンパスの開催は、地域の更なる発展に寄与するという本学のミッション実現への試金石となります。
OISTの地域連携セクションの照屋友彦マネージャーは、「教育を通して沖縄に貢献することが重要です。」と述べました。
本学の教授及び学生も照屋氏と同様の考えです。
3Dメガネを通してアリのコンピュータグラフィック画像を目にした少年が、「すごい!」と感嘆する姿を見ながら、「生物学への情熱を一般の人たちと分かち合うことができてとても楽しいです。」とエヴァン・エコノモ准教授は語りました。